「風は海から」

デビューシングルになった曲。

次の夏もきっと会おうというフレーズからみて、夏の歌だと思われます。が、ふんわかとしたサウンドのせいか、春をイメージする人も少なくないようです。

主人公はあなたとつきあっている。主人公はあなたに他の彼女がいることを勘づいている。別れを切り出せないまま、まだずるずるつきあいは続いているが、遠からず別れることになりそうな予感。

この歌の鍵を握るフレーズは、各節のおしまいで繰り返される風は海から海へと帰るものでしょうね。これだけだと意味するところがいまひとつわかりにくいですが、シチュエーションを考えるとあなたに対するあきらめのような思いを示すセリフなのかなと思います。男心がで、相手の女性が陸地にあたるのではないかと。

調性は、前半が B-major、約束がから g-minor に転調します。もっとも、歌が終わってからエンディングで B-major に戻りますが。平行調 (長調と短調で、♯もしくは♭の数が同じ関係にあるもの) 間で調が動くのは、孝子さんの作品ではこの曲だけじゃないかしらん。


文中 《 》 で括った箇所は、すべて「風は海から」歌詞から引用したフレーズです。


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