「リベルテ」

この曲を聴くと、飛行機が滑走路から飛び立つさまが思い浮かぶ私です。これほど力強くて元気が湧く歌はなく、学生時代は試験を受けに出かける前に必ず聴いていました。ハマッた歌の一つですね。

詩は形而上的なフレーズの断片が並んでいます。これは、ある一つの思考過程について、頭に浮かんだことを、なるべく説明的にならないよう、順に並べていったものだろうと思います。なんとなく伝わるものはあるんですけど、いざ文章で解釈しようとすると、これほど難しい曲はない。

まず引っかかるのが私を苦しめ続ける何か。これは、自分が背負ってきた過去をさすのではないでしょうか。後半で昨日を捨てると歌ってますから。

真実の典型であろうところの空の青さ。これについて誰もが同じ色と感じてるのを肯定文ととるか疑問文ととるかで、前者なら「誰にとっても真実は同じだ」、後者なら「誰にとっても真実は同じなのか?」と、意味するところが逆になります。私は問い掛けだろうと思いました。

形のないものとはどんな意味か? おそらくは人の心 (感情・思考) にまつわるすべてのものでしょう。まずモラルだけが残った。モラルは、過去の経験から得た、自分の行動を縛るものです。次に真実 それはたぶん 人の心という、一つの結論が見つかります。

曲半ばのすべてを深く胸に刻んで。どちらも過去となったこと。

そして今 勇気がほしい 昨日を捨てると歌われます。これは倒置として「昨日を捨てる勇気が、ほしい」と読んだほうがわかりやすいでしょう。

つまり、この曲は 未来へ向かって新しい一歩を始めることを決意した瞬間 を歌ったものだろうというのが、私が読み取ったところであります。


文中、引用符 《 》 で括った箇所は、すべて「リベルテ」歌詞から引用したフレーズです。


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