「夢の樹」

泣きたいよね以降は、曲の中の登場人物どうしの会話ではなく、孝子さん自身がすべての人に向けて投げかけるメッセージだと思います。つまり、この歌は「岡村孝子宣言」。他の曲では「"あなた" という登場人物に対する主人公の言葉」という形で歌われるメッセージを、聴き手は "あなた" に自分の姿を投影することで受け取るわけですが、この曲はダイレクトですね。

1番・2番の前半に出てくるは? 音楽世界の主人公ではなく「こんな人がいるよ」という例示の描写だと、私は理解しています。は「幸せ」と言い換えても意味するところは大して変わらないでしょう。いつか出会うのは文字どおりに読むと波の終わりですが、これは「幸せ」「生涯のパートナー」をたとえたものだと思います。そして、そんな人達に対しても岡村孝子の歌が届いてほしい、だからあなたにも届け

ところで、セレクションアルバム『Ballade』に収録されたバージョンでは、編曲者が田代修二さんとの連名に変わっていました。単なるミスでしょうか? それとも、田代さんが手を加えた部分があるのでしょうか? (コーダ直前の間奏でピアノが付け足されていますよね)

附記 (2001/08/29)

シングル「Time and again」と一緒に、ディスクのデザインを変えて再発売された『Ballade』を購入しました。それをチェックしたところ、編曲者が萩田さんお一人の名前に変わっていました。リリース当初の版で田代さんの名前がクレジットされていたのはミスプリントみたいです。


文中、引用符 《 》 で括った箇所は、すべて「夢の樹」歌詞から引用したフレーズです。


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